なんか臭う
今回は、少し、グロです。
気分が悪くなるかもしれないので、苦手な方はスルーしてください。
これは、子供のころの話です。
家の外に出ると、ふと「なんか臭う」と感じました。かすかですが、どこからか変なにおいがします。不思議に思い、においのもとを探してみると、別棟のほうから漂ってくるようでした。
そちらへ向かい、さらに探していくと、縁の下の束石のすぐ上、大引きと同じ方向に横たわる材木の上に、黒い雑巾のようなものがありました。目を凝らしてよく見ると、それは猫の亡骸でした。我が家では猫を飼っていなかったので、どこかの飼い猫か、あるいは野良猫だったのかもしれません。
「猫は死ぬ前に姿を消す」と聞いたことがありますが、まさかうちの縁の下で息絶えているとは……。放っておくわけにもいかず、庭の隅に埋めてあげました。
その後、ふと気づいたことがあります。最初ににおいを感じた場所と猫を見つけた場所は、50以上メートル離れていました。本来なら、猫を見つけたときにはもっと強いにおいがしていたはずです。けれど、最初に気づいたときと、ほとんど変わらない程度のにおいしか感じませんでした。
もしかすると、猫は供養してほしくて、私を呼んだのかもしれません。